ここまで来ると、頭部外傷のデパート状態であり、相当な重症例です。
外傷による局所の脳組織の挫滅、衝撃により組織が砕けるような損傷、つまり脳挫傷となり、その出血が脳の表面、脳表と硬膜の間にたまると急性硬膜下血腫、さらに硬膜の内側にある薄いくも膜と脳の間に出血が広がっていくと外傷性くも膜下出血と診断されます。
これらの傷病名は、出血の拡がりを示しているのですが、深刻なことに、脳表面の広い範囲に点状出血、びまん性軸索損傷まで認められており、意識喪失期間は60日を超えました。
この被害者には、別表Ⅰの2級1号が認定されました。